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障害者自立支援法について

  新政権が障害者自立支援法を廃止すると発表していますが、障害者自立支援法について、今回毎日新聞の野沢和弘論説委員からご意見をいただきましたので掲載させていただきます。ご意見等ございましたら下記までご連絡を下さい。
     衛藤晟一事務所 03-3508-8233 (担当 北村)


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       障害者自立支援法について
                 2009/11/26 野沢和弘

(1)利用者負担について
 障害程度が重くなるほど利用者負担が大きくなるという矛盾はたしかにある。応益負担をやめて応能力負担にするというのは多くの障害者は賛成するだろう。ただ、まったく負担ゼロにするのには反対である。低所得層への減免措置によって「上限1500円」が半数を占めるのが現状。はたして1500円を払えない人がいるのか? 負担の実態を国民はあまり知らないかもしれないが、生活保護受給している人が160万人を超え、さらに低収入でも生保をもらえない人もかなりいる現状では、何をどれだけ利用しても無料というのは国民感情になじまないと思う。必要なサービスは必要なだけ利用できるのは理想だが、どこまで必要かというのはコスト意識が存在してこそ健全に機能するのではないか。
 利用者側の権利意識を働かせるという意味でも自己負担は必要だと思う。

(2)「働いているのに利用料を払うのはおかしい」という論理利用料を少しでも取られることに反対する障害者も少なくないが、利用料を取られることがおかしのではなく、働いているというのならそれに見合った対価(賃金)を得られていないことがおかしいと考えるべきではないのか。働くことで得た賃金の中から利用料を払えばいいのではないか。ふつうのサラリーマンだって間接的な「利用料」は会社に払っている。会社の設備や備品を利用し消耗品を「利用」することによるコストを売上から差し引いた純利益の中から労働者への賃金を配分しているのであり、結果的に会社設備などの「利用料」を賃金から差し引かれているのと同じことになる。
 働いているのに賃金よりも多い利用料を払わなければならないのであれば、労働者は怒りをぶつけるのは当然だ。どこにぶつけるかと言えば、経営者に対してであろう。では、どうして障害者は施設経営者に対して怒りをぶつけないのか。
 障害者に十分な賃金を得るだけの能力がないのか、それとも施設運営者に工夫が足りないから収益が少ないのか。もしも後者だとすれば、施設運営者は自らの責任を棚に上げて責任転嫁をしていることにはならないか? いや、障害者は働いているのではなく、訓練や教育や指導を受けているのだとすれば、障害者が対価(賃金)を得ること自体がおかしいといえるだろう。むしろ訓練や指導を受けていることに対する代金を障害者が払うべきかもしれない。福祉施設で障害者がやっていることは何なのか、働いているのか、訓練を受けているのか……概念の整理をしないと利用料の問題はクリアにならないのではないか。

※高知県で障害者の地域生活支援をしている法人の経営者の話
 「せめて利用者に最低賃金を払うのが公的なお金(補助金)を得て事業をしている私たちの責任。素敵なカフェを運営しているのでお客さんが毎日列をなしている。マスコミが取材に来るが全部断っている。どら焼きを作って一般の店に卸しているが、あんこがはみ出した欠陥品がときどき混じってしまう。顧客から苦情が来ると飛んで行く。『障害者がつくっているものですから……』とのど元まで出かかるが、絶対に言わない。私たちは障害者をウリにも言い訳にもしない。十分な賃金を払えない施設に限って、職員が自分たちのことを『先生』なんて障害者に言わせている。職員が工夫も能力もないために障害者に十分な工賃を提供できないくせに、何でも国の責任にしている。それっておかしくないか。
私たちはそんな事業者には絶対になりたくない」

(3)もの言う障害者・事業者/もの言えない障害者
 支援費の時代に24 時間ヘルパーを使って地域での自立生活をしていた全身性障害の人の話を聞くと、たしかに自立支援法になって暮らしにくくなったと思う。もっとアピールしてほしいし、彼らの生活ができるような福祉を追求していくべきだと思う。
 小泉政権下の社会保障費の伸びを毎年2200億円削減する方針の中で、障害者自立支援法は障害者福祉の予算を3年連続で10%前後の伸びを確保してきた。生活保護の母子加算や老齢加算が廃止され、診療報酬が削減され続けた中で、もともと低水準であることを差し引いても障害者福祉の予算増は評価されるべきだと思う。それにもかかわらず、支援費時代よりヘルパー利用が削られたといって障害者は抗議する。では、増えた予算はどこへ行ったのか?
 地方を歩くと、これまで地域福祉の資源がまったくなかったところが自立支援法になってさまざまなサービスが生まれてきたという現象をよく目にする。制度外の福祉が規制緩和によって制度化されてきたこと、障害者計画を市町村計画が義務付けられたことにより積極的に資源の創出に乗り出したことなどが背景にある。砂漠のように福祉資源が何もなかった地方の障害者はこれまで「もの言えない(言わない)」存在だった。自立支援法は障害者間格差、地域間格差の是正には役立ち、もの言えない障害者にも福祉が届くようになったのは確かだ。自立支援法が廃止になっても、この予算増は引き続き確保していっていただきたい。
また、「もの言えない(言わない)」障害者のためには、相談支援、権利擁護、成年後見がとても重要である。自ら交渉能力のある人だけが必要なサービスを獲得し、そうでない人にはいつまでたってもサービスが届かないというのは、公費で運営されている福祉として決して望ましい状況ではない。特に入所施設に親や行政の意向で入っている障害者には後見人を付けることを個別給付で保障すべきと考える。

(4)福祉から解放すること--日額制①
 自立支援法になって障害者の一般就労は目覚ましく伸びている。雇用促進法による効果だという説もあるが、自立支援法の就労系サービスや制度の寄与するところは大きい。リーマンショックで解雇される人が多い中、新規の雇用も健闘している。景気の停滞が著しい沖縄県においても著しく雇用率が上昇している。
 特に知的障害者はこれまで一部の軽度の人が中小零細の工場や商店などで働くというのが常識だったが、トヨタ、リクルート、東京電力、KDDIなどをはじめ日本を代表する大企業が特例子会社を作って積極的に知的障害者の雇用を進めている。それも、障害者を訓練して一般就労に耐えうるようにしてから雇用するのではなく、中重度の障害者も働けるような仕事を用意したり労働環境を整えたり、福祉NPOを提携して定着できるような体制を整えているのである。就労促進は引き続き重点的に充実させてほしい。

 そこで、気になることが二つある。
①中重度の障害者も企業が雇用するようになってきた現状からして、通勤にガイドヘルプを利用できるようにしないと、家族がずっと負担することになる。また、ジョブコーチも自立支援法にはなかった。就労の時間以外のサポートをする生活支援もまだ薄い。こういうものがないと、あくまで軽度の障害者しか就労できないことになる。障害者側の批判は利用料だけではなく、自立支援法の根底にある「自立観」にある。誰の助けも借りずにひとりで身辺自立ができることを「自立」と考える発想は現状とも理念ともまったく乖離していると言わざるを得ない。適切なサポートがあれば企業就労できる障害者は大勢いる。就労の周辺サービスを充実させるべきである。
②働ける障害者を福祉施設が囲って就労させないというケースが目立つ。軽度の人は福祉施設の中で職員の補助のような役割をしていることが多く、こうした障害者を企業に取られると施設の運営が苦しくなるというのである。まったく本末転倒した話である。いったい誰のための福祉なのか。職員や施設の運営のために働ける障害者を囲って離さないというのである。こうした施設の都合による福祉を転換するためには、月額制を廃して日額制を基本とすることが何をおいても必要だ。「日額制では施設運営が厳しくなり、結果として利用者にしわ寄せが来ている」と施設経営者から聞くことがあるが、なんだか自らの工夫や努力を放棄して障害者を人質に取っているような感じがしてくる。

(5)施設の呪縛を解くために--日額制②
 「こんなかわいそうな子、預かってもらっているだけでありがたい。あの社長は神様みたいな人だ。少々ぶたれたっていいんです」。96 年に発覚した水戸の段ボール加工場での障害者虐待。毎日のように障害者は暴力にさらされ、耳が半分ちぎれて大出血した男性、機械に足をぶつけられて半月板損傷した女性、助成金で建設された従業員寮の中で社長から犯されていた女性たち。酔っ払った社長が飲み友達を連れ込んで自分が見ている前で犯させたり、社長がおもしろがって自分の小便を女性に飲ませたりしたこともあった。
 冒頭の言葉は、その工場で暴力を受けていた男性従業員の父親が発したのである。就業の場や施設で虐待が発覚するたび、こうした保護者が現れる。虐待されているわが子ではなく、虐待している職員や事業者を擁護するのである。親はわが子を預けている相手に対して何と無力な存在であることか。もしも出ていけと言われたら行き場がない、施設に不信感を持っていることを悟られたらわが子がどのような目にあうか……そうした呪縛にがんじがらめになり、精神的に隷属しているのである。
 「自立支援法なんてものを国が作ったので施設の経営が苦しい。日額制では収入が減ってしまう」などと施設から言われたら、熱があろうがケガをしていようが障害のある人を必死になって通わせるのが親の心情である。
 グループホームを単体で運営している事業者などは別として、いくつかの事業を運営している法人であれば、その日によって利用者の多いサービスに職員を傾斜配分して運営することはまったくできないことなのか。福祉以外の領域ではどの事業者もそのようにして日々の運営をしている。貴重な公費(税金)によって運営している事業であればなおさらではないのか。事業者側の運営や労務管理に問題があるのに、制度の問題にすり替えてはいないか。
 利用者(消費者)はその日の体調や嗜好によって自分の好きなサービスを選ぶ。こんな当たり前のことがどうして障害者には許されないのだろうか。よいサービスを受ければ、障害者は成長し、もっとよいサービスを受けたくなる。よいかどうかは別としてほかのサービスも体験したくなる。それって当たり前ではないのか。そうした選択がどうして障害者福祉の中では許されないのだろうか。事業者側は利用者(消費者)に選んでもらうように切磋琢磨してよりよりサービスを追求していく、それが健全な関係ではないのか。
 障害者や家族を施設(事業者)の呪縛から解き放つためには日額制は必須である。日額制を基本として、それではどうしてもやっていけないと認められるケースには別途補填を考えて救済していくべきだと思う。
                      以上
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チャレンジドフォーラム in Saga が開催されました

 平成21年11月7日、今年で6回目となるチャレンジドフォーラム in SAGAが開催されました。佐賀フォーラム

 衛藤せいいち参議院議員と福岡たかまろ前衆議院議員は、「どんなしょうがい・難病であっても地域で暮らしたい」をテーマにしているチャレンジドフォーラムでは欠くことのできない大事な論客です。
 今回は政権が変わったことを受けて、民主党の園田康博衆議院議員の参加も得て、障害者自立支援法がどのようになっていくのかを情報発信していただきました。

 司会進行をした富吉賢太郎佐賀新聞論説委員長は、障害者の地域生活に伴い現場でおきている様々な出来事をコラムで情報発信しておられ、ご自身が執筆された二つのコラムを紹介するなど、すばらしい司会進行をされました。
 その中には障害者自立支援法で「工賃」というのは、「安いままでいい」というイメージがあることから「給料」と呼ぶべきだといわれたことには、表現に厳しい論説委員長としての確かな発想を感じました。

 以下は、テーマごとに園田さんと衛藤さんが発言された内容をかいつまんで整理しました。
園田さんの誠実なお人柄と、衛藤先生の障害者のお話をされるときの優しさあふれる発言、そして、障害者自立支援法の改正案で掲げていた緊急の課題解決に向けた熱意がとても印象的なフォーラムでした。

1 「障害者が地域で生きる」について
(園田) 生まれ育ったところで生活するのが人間にとって一番安心できる。その当たり前のことを実現するため、地域の理解を進める取り組みを国の政策にも活かして生きたい。

(衛藤) 見た目にはわからないが、父親が戦争で大きな傷を負った傷痍軍人だったし、父の友人の子にダウン症の「のりちゃん」がいて、そのお父さんが親なき後を涙ながらに話していたことが自分にとって大きなインパクトとなっている。
 自分が市会議員のころ、通所授産に通い箱折の仕事をしている障害者とデパートに出かけたとき、自分の折った箱をみて、「自分たちが作った箱だよ」と喜んでいる姿をみて涙が出た。父親から受けたものやそのときの感動が、自助・互助・公助を基本とし、共生と自立を目指した「障害者自立支援法」を成立させたいという原動力になった。
 昔の人は障害者を同じ人間又はそれ以上の存在として「福をもった子」という考え方をもっていた。一緒にいて有難く考えていたのだと思う。障害者は歴史的に見ても地域で一緒に暮らすことがその原点だと思う。

2 障害者自立支援法の廃止について 
(園田)長妻大臣が「廃止します」と発表したが、新聞には「廃止」だけが印象として伝えられてしまい、「すぐ廃止」してどうするのかと多くの方々が不安を感じてしまった。大臣にはくれぐれも新しい制度は段階を経て、その決定過程に当事者の方々に参画していただいた上で制度設計をしていくので時間がかかることを伝えてほしいとお願いしていたし、そのように大臣はコメントされていたが、新聞等にはその肝心なコメントはほとんど掲載されなかった。
 障害者自立支援法は介護保険との統合論がささやかれ、障害者の方々に大きな不安を与えることになったり、障害当事者にとってきちんと納得のいくプロセスが必要だったにもかかわらず、それがないままに法案が成立した。反省を活かし、当事者参画の中で制度を作っていくことを考えていて、新しい法案成立までには4~6年が必要だと考えている。
 あわせて、緊急に取り組まなくてはいけない案件については、障害者自立支援法の改正というかたちで対応し、虐待防止や差別禁止など個別の案件にも必要に応じて取り組んでいきたい。

(衛藤)障害者自立支援法の内容を大きく改善するみなおし案が廃案になったのは非常に残念であった。
確かに障害者自立支援法は、現場で起きていることがらに対してきめ細かな検証が不足していた。また、介護保険への統合もあるかもしれないという意味で視野に入れていたことも確かである。そのことに関して障害当事者から反発を受けたりした。反面、成立後の制度の見直しには積極的に取り組み、とりわけ相談支援の充実については、しっかり取り組ませていただいた。
相談支援が必要だと強く思ったのは、重症心身障害者の親子が心中をするという事件があり、「相談支援がしっかりしていて正しい情報が伝えられていればこのようなことにはならなかった」と思ったからであり、改正案もこの相談支援を中心に、移動支援の充実や発達障害を加えること、グループホーム入所者のための住宅手当などすぐにでもやるべきことが多く盛り込まれていた。
民主党には緊急にやるべきことを早くやってほしいとお伝えしたい。

3 障害者の働くについて。
(園田)「障害者の働く」はサービスではなく、いかにサポートするかという観点で推進したい。
(衛藤)大分県にある太陽の家のような肢体不自由の方々の働く場は、昔から少しずつ整備されていたが、知的障害者の働く場は障害者自立支援法の施行により広がってきた。どんな障害があっても働く喜びを感じることのできる社会にすることが必要である。
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